面白い生き物の生態や飼育方法などを紹介するちょっと変わった生き物図鑑
タスマニアデビルの赤ちゃん

【絶滅危惧種からの復活!?】可愛いすぎる悪魔 タスマニアデビル

オーストラリアにあるタスマニア島は、固有種が沢山いる事で有名だ。

その中の一種であるタスマニアデビルは、絶滅の危機に陥っている。しかし、思いもよらない方法で乗り越えようとしているんだ。

 
ハカセ
限られた地域にしか生息していない生物を固有種というよ。

特徴

タスマニア島のあちこちで、のんびりと休んでいる姿を見かける事が出来る。警戒心が薄く、近くを人間が通っても全く気にせずにスヤスヤと眠っている。

出典: Mostly Nature, Tasmanian Devils Relaxing
 
つくし
え、これは流石に無防備過ぎない!?
 
ハカセ
タスマニア島には天敵がいないから、警戒心が薄くなっちゃったんだ・・。

名前の由来

タスマニアデビルの名前は直訳すると、「タスマニアの悪魔」という意味になる。

草原のタスマニアデビル
出典: Mostly Nature, Tasmanian Devils Relaxing
こんなに可愛い見た目をしてるのに、なぜ悪魔なんて名前がついているのだろうか。それはタスマニアデビルの奇妙な鳴き声にある。非常に甲高い鳴き声で、夜になると数km先まで響き渡るこの声は古くから悪魔の声だと信じられてきた。
 
ハカセ
この動画内で実際の鳴き声を聞く事が出来るよ。

驚異的な進化

そんなタスマニアデビルは数年前に個体数が激減した。感染する悪性腫瘍(ガン)が大流行して、現在では絶滅の危機に陥っている。

 
ハカセ
病気によって、個体数が70%も減少してしまったんだ。

ところがタスマニアデビルは、普通では考えられない程の速さで適応進化を始める

タスマニアデビルの赤ちゃん
出典: Bite of the Tasmanian Devil | National Geographic

子供を沢山産めるように進化

病気によって寿命が短くなってしまったので、より多くの子供を産めるように進化していった。

 
ハカセ
病気が流行る前は年に1回しか発情しなかったのが、今では数か月に1回発情しているよ。
 
つくし
交尾のチャンスを増やして、子供を沢山産もうとしたんだね。

また、病気の流行前は2歳まで交尾を行えなかったのだが、今では1歳で既に交尾を始めている。この2つの進化を6~8世代(12~16年)という非常に短い期間で行ったんだ。

 
ハカセ
長い生物史の中でも、これほどの短期間で進化を遂げたのは前例がないと言われているんだ。

絶滅の危機から脱出

今でもまだ絶滅危惧種に指定されているタスマニアデビルなんだけど、着実に個体数を増やしていて、10年後には元の個体数まで回復する見込みだ。

とはいえ、未だに病気の治療法は確立されていないので、タスマニアデビルの自己治癒力にかけるしかない。

 
ハカセ
最近ではこのガンに耐性をもった個体も現れ始めたんだ。

タスマニアデビルの生態

食事

鳥の肉や爬虫類の肉を好んで食べる。死肉も食べる事ができるので、骨を噛み砕ける程に噛む力が強い。

昆虫やフルーツも大好きなので、何でも食べる生き物である。

 
ハカセ
体の大きさと噛む力の強さの比率は、哺乳類の中で最強と言われているんだ。

超大食い

こんな顔して大食いファイター並みの大食漢で、一日に体重の40%ものエサを食べる事もある。体重の40%という量は動物界でも尋常ではない。

体重が60㎏の人間に換算すると、実に28kgものご飯を食べることになる。

 
ハカセ
ちなみに超一流の大食いファイターでも7~8kgが限界だと言われているよ。

平均的な個体でも体重の15%程のエサを毎日食べている。これも人間でいうと10kg以上の量になるので、タスマニアデビルは全員が超一流の大食いファイターなんだ。

見た目

ネズミのようにも見えるが、生物分類上でいうとクマに近い。

クマ類に共通している特徴として、背中の筋肉の発達がある。このタスマニアデビルも背中側の筋肉が大きく発達していて、ひっかかれた場合は人間でも大ケガを負ってしまう。

子育て

タスマニアデビルは米粒くらいの未熟な胎児を出産し、成熟するまでは袋の中に入れたまま育てる。

 
つくし
カンガルーと同じだね。

エサを探す時に掘った土が袋に入らない様に、袋は下向きになっている。

出典: Bite of the Tasmanian Devil | National Geographic

1度の出産で30匹前後の赤ちゃんを産むが、乳首が4つしか付いていないので、全員が大人になる事は出来ない。

 
つくし
4つしか無いなら、そんなに沢山産まなきゃいいのに。
 
ハカセ
それはそうなんだけど、少しでも大人になれる個体を増やすために、自然界ではよく起きていることなんだ。

歴史

オーストラリアの全域で化石が発見されている為、大昔はタスマニア島以外でも生息していた事が分かっている。

ところが人類が犬を飼うようになって、タスマニアデビルはオーストラリア大陸内では絶滅することになる。逃げ出した一部の犬が野犬化して食べつくしてしまったからだ。

 
ハカセ
タスマニア島には大型の肉食動物がいないので、生き残る事が出来たんだ。

走り方

後ろ足をそろえて走る習性があるため、ピョコピョコとした可愛らしい走り方をする。ハカセが実際に多摩動物公園に観に行った時は、ずっとグルグルと走り回っていた。

寿命

寿命は7~10年と言われていたが、最近では先述した病気が大流行したので、3~4年に落ち込んでしまった。

 
ハカセ
このサイズで3~4年の寿命はかなり短い方なんだ。

飼育されている動物園

日本では、東京都の多摩動物公園で飼育されている。 (2020年4月現在)

ここはアジアで唯一タスマニアデビルを鑑賞できる動物園で、オスとメスのペアで飼育していたのだが、今は1頭しかいなくなってしまった。

 
ハカセ
残念だけど、もうすぐアジアでは見られなくなってしまう可能性が高いんだ。
実際に観たいと思った人がいたら、早めに観に行っておく事をオススメするよ。

多摩動物公園のスポット情報

名称  : 多摩動物公園
住所  : 〒191-0042  東京都日野市程久保7-1-1 
休園日: 毎週水曜日
入園料: 大人600円、中学生200円(小学生以下は無料)
営業時間: 9:00~17:00
最寄り駅:多摩モノレール「多摩動物公園駅」から徒歩1分
タスマニアデビルの赤ちゃん
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